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おねがいサンタ2
「紅子、サンタっているよな。」
「いるわよ。」
『それがどうかして?』と、音にならない声が聞こえてきそうな紅子の反応にほっとする。
俺だって、まったく疑ったことがない、なんてことはない。小学校の中学年くらいとか、中学に
あがるころには、サンタの存在を疑ったことがある。まわりのやつらも、騒いでたし。
でも毎年絶対プレゼントが置いてあったしな。お袋がそうなのかなあ…とも思ったけど、お袋
ももらってるし。去年はたしか中国の茶器セットをもらってた。
…それに、紅子。魔女が何の不自然もなく高校に通ってるくらいだから、サンタくらいいるだろ
う、と思う。高校生が小学生になっちまう世の中だしな。
「俺さー、毎年毎年、今年こそサンタのおっちゃんに会うまで寝ない、て決めてんのに、何故
かいっつも寝ちゃうんだよな。」
「まあ、それは残念。でもどうして、いきなりそんなことを聞いたの?」
「…名探偵がさ。ちょっと変な顔したんだよ。ガキん時に、サンタの存在をこっそり否定したや
つらみたいな、ちょっと困った顔。」
なにか迷ってるような、でも言い出せないっていう、そんな顔。
「あら…。それは、あれね。彼のところにはサンタが来ないんじゃないかしら。」
日頃の行いが招いた結果よね。
紅子が大人びた笑みを浮かべて言う。
日頃の行い…あ、そうか☆
名探偵てば、いまは蘭ちゃんの家に居て実家には居ないから、今年は自分宛のプレゼント
は宛先不明扱いになると思ってんだ。きっとそうだ。探偵バカがたたって小学生なんてのになっ
ちまうから、そういうことになるんだ。
「サンキュー、紅子。なんかすっきりしたよ。」
「そう。それより今夜の中森さんのお宅でのパーティー、あなたも来るのでしょう?東から吹く
風に邪魔をされないようにね。」
?
「いまの時期なら北風だろ?」
「いいえ。今夜は東風よ。」
その夜。
東風デパートのオーナーのおかげで、予想外に忙しいイブとなり、それでも平気な顔してうち
に帰ったはいいけど、正直へとへとに疲れてた。
でも、やっぱり今年こそはサンタのおっちゃんに会いたかったから。ゲームやったり、苦いコ
ーヒー飲みながら頑張って起きてたんだけど。
「快斗、そろそろ寝なさい?」
「いーの。俺今日は寝ないんだ。」
「あら…、そう。まったく仕方ないわね。できるだけこの手は使いたくなかったんだけど…。」
は?なんの手だって?
「ほーら、快斗♪見て見て、これ♪」
お袋が取り出したブツに、俺の意識は一瞬でとんだ。



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