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おねがいサンタ1
「はい、これ♪」
空には青空。足下に地球。手渡されたのは、巨大靴下だった。
「…快斗兄ちゃん、これってもしかして…?」
「ちゃーんと枕元に置いとけよ。」
枕元。というと、やはりこの靴下の意味するものは。
「それで、コナンはサンタに何をお願いしたんだ?」
実は今日、これを聞かれたのは二度目だった。
今朝、学校で少年探偵団に聞かれたときは、今年こそはサンタが来るまで起きているんだ
と、楽しみで仕方がないといった様子で聞いてくるのが、可愛いと思った。子どもの時にだけみ
れる夢を、壊してはいけない。自分が正真正銘の小学生だったときに何を欲しがっていたか
を、必死になって思いだしながら答えた。
(…きっと快斗も、あの時の俺と、同じことを考えながら聞いてんだろうな。)
子ども扱いなのは悔しいが、自分が本当は快斗と同じ高校生なのだとは言っていないのだか
ら、仕方がない。それよりいまは、快斗が自分のためにこの靴下を用意してくれたことを喜ぶ
べきだろう。"サンタに夢をみているコナン"を、期待している快斗の夢を壊してはいけない。
そう思ったから、今朝の歩美がそうだったように、サンタを心待ちにしているような、期待に満
ちた表情をつくって言った。
「サッカーボール。普通の。」
「あ、それならギリギリで入るかな。良かった、大きめにしといて♪」
「え?これ快斗兄ちゃんが編んだの?」
奇術の腕はかなりのものだから、器用だとは思っていたが。
(てっきり、パーティーグッズ売場ででも買ったのかと思った。)
どこまで器用なんだ。
「ありがとう、快斗兄ちゃん。大変だったでしょ?」
「んー、そうでもないよ?俺、自分のも毎年編んでるし。」
(は?)
いま、何と言ったか。
(・・・自分のも?)
普通ならまず信じられないことだが、探偵たる者わずかな可能性も見逃してはいけない。そ
のわずかな可能性を考慮して、努めてソフトに、遠回しな言葉を選んで快斗の真意を探る。
「快斗兄ちゃんは、さ。去年サンタさんから何をもらったの?」
「ナットクラッカー♪そのままだとあんまり出番なさそうだったから、空き缶をつぶすやつに改
造しちゃったけど。」
案の定、至極キラキラした瞳で答えた快斗に、軽くめまいを覚えた。

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