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出会っちゃった人たち6
ステージ上の煙幕が晴れてくる頃、ようやくその場に居た奴らが騒ぎ出した。
「すごい!本物みたーい!!」
「あれ、誰が演ってるの!?」
たのむ、静かにしてくれ。 落ち着いて考えたいのに、全然冷静になれねぇ。
とどめに、園子。
「許す!彼ならキッド様役を演るの許せるわ!」
・・・キッド様役?
ってーか、ありゃ本物なんじゃねえのか!?
「園子姉ちゃん、僕キッドを捕まえたい!」
「あら、やっぱりキッドキラーとしては、本物じゃなくても黙ってられなかったのね。連れてきた
甲斐があったわ!」
「・・・二人とも、無茶しないでね。それと、黒羽君に怪我させないでね。」
蘭に、なんだか諦めたような口調で、ため息混じりに言われたけど。
悪いな、蘭。 黒羽が無事でいられるかどうかは、保障できねえ。
――――――ぜってえ、しっぽを掴んでやる!!
「よしっと☆これで午後まで俺はフリー♪」
キッドの衣装からはさっさと着替えて、体育館からは退散する。
あ〜、焦った。 何で来るかな、あいつは。
ま、それでも華麗に、大胆不敵に、騙しきってみせるけどさ。
いまの俺は、あくまで江古田高校の2年生。 キッドそっくりに仮装して、企画を成功させるた
めに頑張る、一般高校生の、黒羽快斗。
そう簡単に、キッドの真実にはたどり着かせねえよ、名探偵?
―――さて、どこに行こうかな?
「この時間まわれそうなところは・・・」
廊下を歩きながらパンフレットを見ていると。
「気をつけたほうが、よくてよ。」
いつの間にかすぐ横に居た美人に、ささやかれてしまった。
「おめーは相変わらず唐突だな、紅子。」
「魔人が来ているようね?」
マイペースに話を進めんなよ。
「魔人、ねぇ・・・。見た目は随分可愛くなっちゃったけどね。」
「器は変わっても、魔人は魔人よ。むしろ、以前よりも狡猾さは増してるわ。」
「あー・・・見た目が子どもなせいで自由に動き回れないのをフォローしてったら、そうなっちゃ
ったんだろうな。」
「・・・でも、まあ今回に限って言えば、あなたが妙な気を起こさなければ、魔人は無害で終わ
るでしょうね。」
意味ありげに、ふふん、と妖しく微笑まれて、気にならない方がおかしいだろうよ、紅子。
「俺が、妙な気を起こさなければ?」
「そう。あなたが、彼と秘密を共有したい、という誘惑に負けなければ。」
なんだ、それなら心配することねえや。 俺は、名探偵とのいまの距離を楽しんでるもん。
名探偵が知らないだけで、実は怪盗の俺が工藤邸に入り浸ってたり、とか。 優作さんとも有
希子さんとも、たまに会ってお前の話で盛り上がってるけど、そんなこと教えてやらねえよ、へ
へん、とか。
『名探偵の知らないところで、こっそり』ていうのが俺はツボなんだから、わざわざ俺から、そ
れをばらすようなことはしない。
「つーか。俺は別に秘密なんてもってねえよ?」
魔女にしらばっくれるのは、結構疲れる。
「魔女に嘘をつくと、天使にみつかるわよ?」
わけのわからないことを言って、綺麗な微笑を浮かべながら、美人は優雅に去って行ってし
まった。


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