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出会っちゃった人たち5
「失礼、中森さん、黒羽君。僕達はそろそろ会場に入っていた方が良いのでは?」
頭上から降ってきた白馬の声に、我にかえった。
いま俺、黒羽に見とれてなかったか!?
いやまさか。ありえねえ。 却下だ、却下。 忘れろ。なかったことにしろ。 なんでもない振りをし
て会話を続けろ。
「会場って?お兄さん達どこへ行くの?」
よし、間は空きすぎてねえ。 不自然にはなってねえな。
「体育館だよ、コナン君♪」
青子さんが俺の頭を撫でながら教えてくれた。
「体育館て、もしかしてキッドの企画って、青子ちゃん達のクラスがやるの?」
「え!じゃぁもしかして、キッド様やるのって黒羽君!?」
さすがに発表前の企画のネタバレには気を遣ったのか、園子が小声で聞くと、黒羽がいたず
らを仕掛ける子どもみたいな笑い方をして答えた。
「ビンゴ☆マジシャンってだけで、いつの間にか俺がやることになってさ。ま、やるからには手
は抜かないけどね♪良かったら園子ちゃん達も参加してよ。」
ウィンクしながら「俺をつかまえて☆」なんて言う黒羽に、園子はものすごく嬉しそうに参加表
明をして、蘭は、何故だか複雑そうな顔をしていた。
体育館は、すごいことになっていた。
黒羽達とは入り口前で別れて中に入ると、そこは今日の学園祭来訪者の半分ほどは、確実
に居そうなほど賑わっていた。
うげ、人に酔いそう・・・。
「ここに居るみんな、キッド様狙いなの?」
「すごい人気ね、この企画。こんなに大勢に追いかけられて、黒羽君怪我しないといいけ
ど・・・」
心配そうに、蘭が言ったとき。
体育館の照明が消えて、ステージ上にスポットライトが当たる。 会場のどよめきが、ステージ
に掛けられたままの幕に映るシルエットに、いっそう大きくなった。
そこへ。
「Ladies and Gentlemen !!」
どっかで聞いたような台詞と、ぴったり合わせたタイミングで、幕が上がった。
・・・・・って、おい!
似すぎだろう、それは!?
実際にキッドと対峙した白馬の意見を参考にしたとしても、そこまで似させられるものなの
か??
隙のない、スマートな立ち姿。 口元には不適な笑み。 凛とした冷涼な気配・・・
呆然としていると、キッドの格好をした黒羽が「オホン」とわざとらしい咳払いをして台詞を続
ける。
「ようこそ!探偵諸君。さて、せっかくお集まりいただいたのになんですが、今回のターゲット
は既に我が手中にあります。取り返したいのなら、わたしを捕まえるしかありませんね。」
しゃべり方まで本物みたいだ。 何なんだよ、これは!?
「わたしは1時30分、3時00分、4時30分に、それぞれ20分間だけ皆さんの前に姿を現しましょ
う。その場所は、2年B組の生徒達に伝えてあります。」
不適な笑みのまま、白いスラックスのポケットに入れていた手の片方を出して、その人差し指
を口元に持っていく。
「ただし、正解の場所を伝えているのは、そのうちの数名です。他の情報は残念ながらダミ
ー。しかも、誰が正しい情報を持っているのか、その情報が何時の出現場所を示すものなの
かは、本人達も知りません。わたしにたどり着くには、地道な聞き込み調査と、運も多分に必
要だということですね。」
そこまで言って、奴は両手を、ばっ、と胸の前で広げて。
「それでは!探偵諸君の幸運を願っていますよ。くれぐれも怪我などなさらぬように!」
ポン☆と煙幕を出して、姿を消した。 会場のどよめきは、いつの間にか消えて、何が起こっ
たのか未だわからず、呆然とした人々が残された。


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