いっしょに帰ろう2




 『全ての男が私の虜になる。 唯一、怪盗キッドを例外として。 』

 そう、魔法の鏡は言った。 
 では、魔人。 
 あなたは? 





 「コナン君は、黒羽君のどういうところが好きなのかしら?」 

 あなたは私の虜になる? 

 「どういう…?」 
 「…紅子ちゃん?」 

 私の力が及ばない彼。 その彼を欲する魔人は、彼と同等の魂をもっている。 
 彼のかわりに、魔人を手に入れることができるのなら、私は満たされるのかしら。 

 「んー・・・、わかんない。」 
 「わからない?」 
 「そうだね、ちょっと難しいかもね。」 

 中森さんが魔人の頭を撫でながら、優しく笑って言う。 
 それに、彼がにこりと笑って、一呼吸置いた。 

 「僕の気持ちは、快斗兄ちゃんが全部持って行っちゃったから。僕じゃもう考えられないん
だ。」 

 !! 

 「…わぁ。コナン君、すごいねー。本当に小学生?なんかすごいキザ☆」 
 「え?え、へへへ。そうかなー?あははは・・・」 

 ―――そう。そういうこと。 

 「ほほほほほ…。」 
 「あ、紅子ちゃん?」 
 「そうね。コナン君の言うとおり。惹かれるって、きっとそういうことよね。」 

 既にもう、彼の虜になっている。 
 私の力が及ばない彼のものになってしまっていては、私はもう手出しはできない。 
 ふふ。 いいわ。 そうでなくては。 
 他に捧げる相手をもつ者に、彼を追ってほしくはないもの。 

 「ふふ。コナン君はキザなところもキッドに負けていないのね。」 
 「え、え?そうかな?」 
 「そうだよ、コナン君!将来が楽しみー♪」 

 中森さんも居ることだし、これ以上正体を引きだそうとするのは酷ね。 
 いいわ。 それでも魔人が黒羽君に捕まったことは知れたから。 

 「さ、帰りましょう、二人とも。黒羽君ももう居ないのだし。このまま此処に居ては風邪をひいて
しまうわ。」 
 「あ、そうだね。帰ろう、コナン君、紅子ちゃん♪」 
 「…はぁい。」 

 あら、残念そうね? 

 「大丈夫よ、コナン君。黒羽君には、またすぐ会えるわ。」 

 あなたは彼に捕まった。 
 では、あなたは彼を捕まえることができるのかしら。 
 せいぜい、頑張ることね? 
 私も、彼を諦めたわけではないから、それなりに邪魔はさせてもらうけど。 
 でも、今日はとても気分が良いから。 

 「あ、二人とも見て!夕焼けがきれーい♪」 

 三人で、黒羽君の話でもしながら帰りましょう。